裸足のシンデレラ
「瞬!!なんでここにっ…。」


そう言いながら、目を伏せ、瞬に背を向けた。
…直視するのは辛い。
それに今、この顔を見せられない。


「嫌なことがあった時に真姫が来るのって大体屋上じゃん。」

「…そうだけど…。」

「真姫の行動パターンなんてお見通しだっつの。俺をナメてんの?」

「ナメてない。」

「つーかお前、本気で投げ過ぎなんだよ。いてぇし。顔面に投げるかフツー?」

「当たっちゃったんだもん。」

「反省しろよ。」

「少しはしてる!!」

「反省してるやつの態度には思えねぇー。」

「してるってば!!」

「じゃあ…こっち向けよ。」

「…無理。」

「なんで?」

「無理だから。」

「理由になってねぇよ。
俺はお前の『大嫌い』を撤回させに来たんだけど?」

「…っ…それは…。」

「さすがに堪えるわー…大嫌いは。
つーわけで顔上げろ、真姫。」


ぐいっと肩を引かれ、瞬の手があたしの頬に触れる。
そしてそのままゆっくりと顔を上げさせられる。


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