裸足のシンデレラ
「はぁー…やっと言ったよこいつ。
マジさーお前どれだけ待たせりゃ気が済むの?」

「だって…今更…どんな顔して言えばいいかとかっ…悩んだんだもん。」

「別に今更だからどんな顔でもいいだろ。
俺はどんな顔の真姫だっていいんだし。」

「女の子はそういうの気にするの!!」

「変なとこ乙女だからなー…真姫は。」

「どうせ夢見がちですよーっ!!」

「ま、そこが可愛いからいいんじゃね?
王子ってガラじゃねーやつを好きになったあたりも真姫っぽいし。」

「何よそれっ!!」

「あー…でもこれでようやく真姫の気持ちも確かめられたし、真姫は俺のもんだし…。
ほんっと『ようやく』だけど。」

「なっ…あたしが悪いみたいな言い方しないでよねっ!!」

「はぁ?どう考えてもお前が悪いだろ?
お前がいつまで経っても言わねぇからこうなったんだっつの。」

「だって瞬みたいにストレートに言えないんだもん仕方ないじゃん!!」

「ったく絵本のシンデレラはすげー素直なのに、なんで裸足のシンデレラはそうなんだよ!!
少しは本物のシンデレラを見習えよな!!」

「はぁー?瞬だって本物の王子様見習って、もっと紳士らしくしてよね!!」

「お前…俺のどこ見てんだよ?紳士だろうがいつだって!!」

「どっこが?」

「お前…俺がどれだけの理性を保って我慢してたか知らねぇだろ…?」

「我慢?」


瞬があたしと少し距離を取り、あたしの目を見据える。
真剣な眼差しにあたしは微動だに出来ない。



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