裸足のシンデレラ
* * *

【瞬side】


「『裸足のシンデレラ』とか…何言ってんの俺…。」


部屋のベッドに仰向けに転がって想うのは…さっき自分が吐いた言葉だった。
真姫を家まで送り届けてからというもの、俺は自分の言った言葉を呪い殺したくなっていた。



「だせぇよ…なんだよ裸足って…つーかシンデレラ?」


自分の言った言葉だけど、取り消せるなら今すぐ取り消したい。
とりあえずセンスがない。そう思った。


「つーかあいつが三橋三橋うぜぇからだよ…ったく。」


俺がどんな想いでお前のそばにいるか、全然知らないみたいな顔しやがって。
どうせ俺は…


「お前の描く『王子様』とはかけ離れてるっつの。」


そんなの分かってる。
つーか今回の劇がシンデレラだっつーのにも納得いかねぇ。
しかも俺の役は王子でもなければ、真姫の相手役のどこぞの男でもない。
中途半端な『魔法使い』


俺はずっと疑問だったんだ。



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