裸足のシンデレラ
教室がざわつく。
そりゃそうだ。だって学園の王子様とお姫様が本当に付き合い始めちゃったんだから。


「うそっ…マジ!?」

「…うん。」

「はっ…恥ずかしいよ…三橋くん。」


そう言いながら丸くて大きな瞳を潤ませ、顔を真っ赤にする姫花ちゃん。
…すごく可愛い。本当にシンデレラがいたらきっとこんな風に…。









「だから俺は『王子様』とかいうやつが大っ嫌いなんだよ。」

「え…?」


この声は…絶対に…。


「瞬…。」

「王子だか何だか知らねぇけどな、お前がいっつも中途半端に優しくするからその気になって傷付いてるやつもいるんだぞ?
お前の思わせぶりな態度がムカついてしょーがねぇ。
つーか王子な態度なんて偽善っぽいんだよ!!」

「ちょっ…瞬!!それは言いすぎっ…。」

「真姫もなんか言ってやれよ!!」

「何も言うことなんか…。」

「あー…くそ…っ…。ちょっとお前、付き合え。」

「えっ?あっ…なっ…!!」


あたしは強く腕を掴まれて、抵抗出来ないでいた。



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