裸足のシンデレラ
「大体お前、あんなやつのどこがいいんだよ?」

「王子様とは真逆の瞬には絶対ぜーったい三橋くんのかっこよさなんか分かんないもん!!」

「王子様ぁ?
今時そんなさっみぃーこと言ってんの、多分地球上にお前だけだぞ?」

「王子様を悪く言わないでよ!!」


…王子様って甘い響きは、小さい頃からずっとあたしの胸の奥でキラキラと輝いてる。
シンデレラだって…王子様に憧れた。
だから舞踏会で王子様の手に触れた時、すごくすごく嬉しかったはず。
12時の鐘が鳴るまでは、きっと、夢のような時間を過ごしたんだ。
その手に触れて、相手が運命の人だって気付いた…。


「運命の人なんだよ…王子様って。」

「運命ねぇ…。」


訝しげな目であたしを見つめる瞬。


「何?なんか文句あるの?」

「いや…お前ってホント…。」


…ん?瞬…顔…赤い?熱でもあるの?


「何よ?」

「…んでもねぇ。」

「何よー!!もう!!」


瞬ってわけわかんない。最近特に。


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