裸足のシンデレラ
「繋ぎとしては良かったんじゃねぇか?」

「え?」

「っつーわけで、シンデレラが幸せを掴みかけている裏には、きっとこんな風に辛い思いをしてる姫もいるだろうってことを再現してみましたー。
ではでは続きをどうぞー。
ほら行くぞ。」

「えっ?わぁっ…!!」


そのまま強引に手を引かれる。
そして舞台袖へと引っ張られた。


「ちょっ…瞬!!さっきのは…。」

「スッキリしただろ?」

「スッキリっていうか緊張したよ!!
全部アドリブだし、あんなの…。」


あんなの…全部、『あたし』に向けられてる言葉だもん。
それがズキズキと痛い。
結局あたしは臆病で、三橋くんへの気持ちを伝えられない。
王子様を自分の足で追いかけることが出来ない。

すべては…自分のせい。
傷付くのが怖いのは、あたしもシンデレラも同じ。

…分かった気がする。シンデレラが逃げた理由。
王子様を信じてないわけじゃない。
でも怖い。
本当の自分を知られてしまったら、拒絶されてしまうんじゃないかって。
フラれてしまうのが…怖い。だから…


「真姫。」

「…?」



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