裸足のシンデレラ
沈黙を破ったのはあたし。


「なんだ?」

「海、入らない?」

「はぁ?」

「ちょっとだけ!!ね?」

「…ったく…ガキ。」

「瞬だって同い年でしょー?」

「俺は真姫よりガキじゃねぇし。」

「べっ…別にガキでいいもん!!」

「あっそ。」


冷たいこと言いながらもあたしに付き合って、靴を脱いで、靴下も脱いで海へと一緒に近付いてくれる瞬。


「真姫。」

「んー?」

「すっ転ぶなよ。お前、海だといっつも転ぶし。」

「もう大丈夫だもん!!」


…足を撫でるようにすーっと波が近付いてきた。


「…冷た…っ…。」

「そうか?」

「思ってたよりってこと!!」

「真姫の言い方わかりずれぇー。」

「うるっさい!!」


バシャッ…


「てめぇ…。」



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