裸足のシンデレラ
「今日からよね。シンデレラの練習。」

「うんっ!!超楽しみ!!」

「…お前、シンデレラじゃねぇじゃん。」

「それはっ…そうだけどっ…。」



それはすごく残念だけど、仕方ないと言えば仕方ない。
あたしはシンデレラが大好きだけど…シンデレラになれるのかって言われたら自信ない。
だってあたしはシンデレラみたいに美人じゃない。
気がきくわけでも、掃除や洗濯が得意なわけでもない。
むしろがさつで大雑把で、シンデレラとは真逆の性格。
そんなのは分かってる。
それにシンデレラは…


「姫花(ヒメカ)ちゃんの方がお似合いだもんね…。」


名前の通り、花のように可憐でお姫様みたいな女の子。
この子がシンデレラ。
そして王子様はもちろん…三橋くん。


それに不満はもちろんない。
クラスで投票した結果だもん。
だけど…
羨ましいなって思う気持ちは止められない。


「お前の役はなんだっけ?」

「あたし?
あたしは舞踏会で踊ってるどっかのお姫様その3くらい。
瞬は?」

「俺?俺は魔法使い。」

「ホントは魔法使いっておばあさんなのに…。」

「うるせー!!んなこと知ってるっつの。
でも決まっちまったもんはしゃーねぇだろ?」

「…そうだけど。」



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