裸足のシンデレラ
「なんか里穂の継母役がすげーインパクト強かったらしく、女王様ってあだ名?みてぇなのが出回ってんぞ?」

「…女王役なんかじゃなかったはずだけど?」

「継母より女王の方がよくね?」

「そういう問題じゃないでしょう?」

「そーそー。確かに里穂の継母似合いすぎてたけどさー…ってか綺麗だった!!元々里穂は綺麗系の顔だけど。」

「…そうかしら?」

「里穂は美人なのに自覚なさすぎー!!」


美人だと自覚していたらきっと、恋人の一人や二人はいるんだろう。
…そんなことをふと思って、思考を止める。

私の頭の中に『恋人』という単語が浮かんできたことに驚く。
恋…そんなものは私とは疎遠だ。


「真姫。」

「んー?」

「真姫は、瞬のそばにいるときが一番幸せそうに笑ってる気がするわ。」

「えぇ!?いきなり何言ってんの!?」

「もっと言ってやって、このバカ女に。」

「はぁー!?」


…また始まった。
素直になれないもの同士のじれったい喧嘩。
瞬が素直になったんだから、真姫も素直になればいいものの。



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