裸足のシンデレラ
* * *


「里穂!!じゃあねーっ!!」

「また明日。」


…塾に行かなくちゃならない。
母親がうるさいから。

勉強は嫌いではなかった、昔から。
だからずっと成績も良いまま。
塾なんて行かなくてもある程度の成績はキープできるのに、母は私が手に入れた1位という栄誉をなんとしてでも維持しておきたいらしい。
別に勉強は1位を取るためにするものではないのに。












塾の扉が開く。
…あいつがいる。今日も。






「おー里穂、早かったな。」


妙に馴れ馴れしい、塾講師。



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