裸足のシンデレラ
魔法はかからない
* * *


「ってぇな真姫!!」

「ごっ…ごめん!!」


放課後…練習が始まった。
私はどこかの国のお姫様3くらいの役で、セリフはたった一言。
「王子様、どうか私と踊ってください。」
そして見事にフラれる。

今は何をしてるかというと…。


「俺の足、何回踏めば気が済むんだよ?ぜってぇ100回は踏んでるぞ!!」

「100回は言い過ぎよ、瞬。
実際は18回だったわ。」

「里穂…てめぇ…数えてたのかよ?」

「もちろん。面白いじゃない?」

「もー…ごめんってば!!
でも相手役の矢島くんが休みだから…瞬に頼むしかないじゃん!!」

「俺の出番が今日はねぇからってよ…。」

「でも瞬だってまんざらでもないでしょう?他の女子に踏まれるくらいなら、真姫の方がいいんじゃない?」

「はぁ!?んなわけねーだろ!!いい加減踏まれ過ぎて痛ぇっつーの!!」

「ごっ…ごめんってば…ホントに。
帰りに何か奢る!!」

「あたりめぇーだ。ったくやるぞ。本番まであんま時間ねぇんだから。」

「…ありがと。」


瞬があたしの手をそっと握った。
…もうちょっとマシにならなきゃ。
三橋くんにあんな無様なダンスを見せるわけにはいかない…。


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