裸足のシンデレラ
「そう。あまりにもバカだから切っただけ。」

「でも…彼氏さんなんだよね?」

「自称、ね。」

「それでも…里穂は嫌いじゃないんでしょ?」

「…ま、そうね。」


意地っ張りなのは…真姫も私も同じだ、とそう思った。
こうなると言えないのだ。今更何をと思ってしまう。
自分がどんな気持ちか、だなんて。

きっとこの想いを口にすれば、私からキスやハグなんかをするよりも喜んでくれることは明白なのに。(でも言ったところで余計調子に乗ってキスやハグを求めてくる可能性は大いにある。)

…まぁいつか…でいいわ。
今すぐに言うのはなんだか癪だから。



「真姫が素直になったら私も言おうかしら。」

「え?あたしが素直になったら?」

「ええ。
あなたが瞬への気持ちを素直に示すことができた時には…私も言おうかなって。」

「え?何を…?」

「それは秘密よ。」

「えぇー!?教えてよ!!」

「そんなことより、早く言いなさいよ。
何ヶ月待たせるつもりなの?」

「だって…今更そんなこと…。」

「頑張って、真姫。」


あなたが頑張れた時には、私も言えそうだから。
ストレートすぎるあいつの気持ちに応えられるだけの想いを。



*END*



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