*恋文戦線*
「俺さっきクラスの男子から糸目で全然格好良くないっていわれちゃったんだけど、俺ってそんなに不細工かな?」
しゅんっと首を傾げれば、目が点になっていた少女達から一斉に怒涛の声が上がった。
それはもう…すごい勢いで。
「信じらんない!!それ絶対先輩に妬いてるんですよ!!先輩はどこからどうみてもイケメンです!!」
「誰ですかそんなの言った奴!私達で絞めちゃいますよ!!」
「先輩は糸目っていうか切れ長の綺麗な目なんですよ!!洋風の陰陽師みたいな!!」
「清潔感もあるし、色気もあるし、色素薄いその天然の髪とか最高です!!」
「私達のアイドルですよ!!」
「そうですよ!!」
「桜が似合います!!」
「あ!私白い着物とかも似合うと思う!」
「スーツ!!絶対スーツ姿!!」
「えーっ!絶対白衣でしょ!!」
「白衣!!キャー!!」
勝手にヒートアップしていく彼女達を見つめて渡辺は一瞬ニヤリと微笑む。
すぐさま、その怪しい笑顔は引っ込めて、爽やかにありがとうと彼女達に笑いかけ、ひなをずるずる引きずりながらその場を後にした。