*恋文戦線*
我が校は良くて県大会止まり。
今年こそは…っ!と多田を中心にみんなで頑張ったが、あのリーダーさえベスト4入りは出来なかったのだ。
来年は今の二年、自分達にかかっている。
もっと、もっと頑張らないといけない。
ずしりと重い何かを背中に乗せ、坂道を走り上がらなければならない。
重いのは、苦しい。
苦しいけど、嬉しい。
わくわくする。
だから、…早く治さないと。
ひなは熱にうなされながら、マナーモードにした携帯を開く事無く深い眠りに落ちた…。
……
…………
「……あらやぁねー、あの子ったら……」
「……いえ、お構いなく……」
「……ほんとごめんなさいねぇ……」
眠りの縁に聞こえる声に、ひなは揺られていた。
誰かが喋ってる。
うるさい…。
人の部屋で何をぺちゃくちゃ…。
「あ、起きた?」
顔を覗き込んでくる見慣れた狐目に、ひなは一気に目が覚めた。
「…?!」