*恋文戦線*
これって自意識過剰かな?じわじわと思っていた疑問を、攻撃に織り混ぜた結果、結局はぐらかされた気がする。
でも。ただの過ぎたイタズラ、他人を巻き込んだ過激なストレス発散方、それ以外にはこの答えしか思い付かなかったのだ。
クスリと渡辺は笑い、照れ死にしているひなの頭にポンと手を置く。
「そろそろ送りましょうかお嬢様。」
「………。」
ちょっとだけ柔らかくなった微笑みを向けられ、毒気を抜かれた気分でひなは素直に目を伏せ立ち上がった。
薄暗い帰り道、ひなは真横を歩く渡辺を肩で感じる。
手は繋いで来なかった。
*
「ひな、ここ間違ってる。」
「え、これ?」
ちょうど良い光が差し込む教室で、もうすぐ提出のノートと格闘するひなの前の机に渡辺が座る。
あいかわず紙パックをすすりながら、渡辺はノートに指を滑らせた。
「あ、こっちも。え、もしかしてこの公式使ってるの全部じゃない?どれだけアホなの。」
「うるさいよ。ちなみに正しい公式カモン。」
「タダより高いものはない。」
「よし!ミンティア一粒でど」
「この契約はなかったことで。どんだけケチなの。」
「渡辺限定で。」
「では。」
「待って!3粒!3粒でどうだ!」
立ち上がりかけた渡辺の腕を慌てて掴むひなに、うむ、と渡辺はまた腰を降ろす。
そんな様子を横の席からぼんやりと友人が見つめていた。
「あんたら安定の夫婦感だねー。」
「はぁ?!」
でも。ただの過ぎたイタズラ、他人を巻き込んだ過激なストレス発散方、それ以外にはこの答えしか思い付かなかったのだ。
クスリと渡辺は笑い、照れ死にしているひなの頭にポンと手を置く。
「そろそろ送りましょうかお嬢様。」
「………。」
ちょっとだけ柔らかくなった微笑みを向けられ、毒気を抜かれた気分でひなは素直に目を伏せ立ち上がった。
薄暗い帰り道、ひなは真横を歩く渡辺を肩で感じる。
手は繋いで来なかった。
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「ひな、ここ間違ってる。」
「え、これ?」
ちょうど良い光が差し込む教室で、もうすぐ提出のノートと格闘するひなの前の机に渡辺が座る。
あいかわず紙パックをすすりながら、渡辺はノートに指を滑らせた。
「あ、こっちも。え、もしかしてこの公式使ってるの全部じゃない?どれだけアホなの。」
「うるさいよ。ちなみに正しい公式カモン。」
「タダより高いものはない。」
「よし!ミンティア一粒でど」
「この契約はなかったことで。どんだけケチなの。」
「渡辺限定で。」
「では。」
「待って!3粒!3粒でどうだ!」
立ち上がりかけた渡辺の腕を慌てて掴むひなに、うむ、と渡辺はまた腰を降ろす。
そんな様子を横の席からぼんやりと友人が見つめていた。
「あんたら安定の夫婦感だねー。」
「はぁ?!」