願い事


生きてるならいいけど


でも怪我、してるのかな?


「頭、強く打ったらしくて軽い記憶喪失になったんだって」


「...記憶喪失?」


じゃあうちのこと、忘れてる...?


「今はもう無事らしいけど。もしかしたら稔のこと、忘れてるかもね」


「...あっそ。丁度いいし」


覚えてない方がいい


あんなキス、忘れた方がいい


だけど、すごく胸が痛む


「それで、彼女も出来たんだってさ」


「ふーん...」


彼女、出来たんだ


「アイツに彼女出来るなんてありえないね?稔」


「そだねー。キモいアイツに彼女なんて...彼女が可哀想だ」


ほとんど棒読み


だけど嘉穂は納得してる


「あたし達、超可愛いって言うの♪」


「はいはい」


勝手に言ってなさいよ


ホント幸せな奴だよ、嘉穂は...







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