願い事

「アイツも言ってた。稔は愛想笑いと作り笑いが上手だって」


「...」


どこまで見抜かれてるの？うちは


どんだけ分かりやすいの？


今までの努力が、ばかみたい


「稔ちゃん、愛想笑いして何かいいことあった？」


「....」


あるわけない、そんなの


「ないでしょ？作り笑いだってそう。稔ちゃんはきっと、あの子に心配かけたくないんでしょ？」


いまだ、春夜の連れに絡んでる嘉穂を指差す


「...うん...」


嘉穂にはやっぱり心配はかけれない


だって嘉穂は、うちの嘘をを見抜くのが早いから


絶対嘘は言えないんだ...


「でもね、そんなことしたら余計心配しちゃうんだよ??自分には力にはなれないんだとか、自分に隠し事されてる...って思い込んじゃうんだよ」


「....」


春夜の言う通りだ


隠したいことは全部愛想笑い、作り笑いで消してきた


悟られないようにと自分を演じた


でも、結局は嘉穂に心配かけてたのかな...？