言葉~ことのは~【短編】
結局私は母の望む進路を進むことになった。  


母を怒らせたり、悲しませたりすることはしたくなかった。

母を裏切り、自分のしたいことをするということは、ここでの自分の居場所をなくしてしまうと言うことだ。  


自分の居場所がなくなることが何よりも怖かった。

誰よりも過保護に育てられた私は、外の世界を何も知らなかった。

自分の周りにあることだけがすべてだった。

実家での生活には、外の情報など必要がなかったのだ。


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