鳴神の娘
第1章カミナリ
雷が鳴ってる。
ゴロゴロと文句を言っている。
少なくとも、私にはそう聞こえた。
=======
「やだなあもう、何でこんな日に限って一人なんだろ・・・」
お風呂にチャプチャプと浸かりながら、早く止まないかなと窓の外を見上げた。
私はカミナリが大っ嫌いだ。
好きだって言う人の気が知れない。
ゴロゴロいうのも、ピカっ! てなるのも。
「もうあがろ・・・・」
今日は両親が仕事で留守だ。
だから気兼ねなく趣味の半身浴ができると思ってたのに、このカミナリ。
こんな日は早めに布団に入ってしまうに限る。
そう思い、湯船から出ようとした瞬間だった。
「あっ・・・・!?」
衝撃。
全身に何かが刺さっていくような強い痛みだった。
カミナリだ。落ちたんだ。
「・・・っ」
薄れていく意識で、体が落ちていくのを感じた。