鳴神の娘
私がどう思うか。
そんなの決まってる。
「どっちも、正しくない」
雷が落ちるのなんて、ほとんど運でしょう?
それにどっちかが正しい戦争なんて、あるわけない。
どっちが正しいか決めるのは、いつも勝った方だもの。
フェアじゃない。
こんなの、ここじゃ通用しないってわかってるけど。
「・・・ですから、サリアはアカリ様の騎士になりたいのです」
「私、こっちの常識とか無いから、サリア恥ずかしいかも」
「神々の常識ですもの。仕方ないのですわ」
それに、とサリアは天幕の扉にもなっている布を上げた。
「陛下も、アカリ様を恥ずかしいなんて思いませんわ」
そこには王様がいた。
王様はばつが悪そうな顔をして、天幕の中へ入った。
「アカリ・・・何か不便は無いか」
目が覚めてすぐ、名前を聞かれた。
教えたら、切ない微笑が返ってきた。
「ないです。それより王様」
「ライアスと呼んではくれないのか」
「・・・ライアス様」
「様はいらない」
「・・・ライアス・・・・」
「それで、それよりの続きは?」
「―――私に、出来ることはありませんか?」
ライアスとサリアは、私の言葉にとても難しい顔をした。