恋愛注意報
「えー…そうなの?」
その答えに満足したのか、不満なのか。それも微妙なんだよね、蓮。
「でも、裟癒…」
『ん?』
「もう少し興味もってもいいんじゃない?そういうの」
周りの人に置いてかれちゃうよと、笑って言う蓮。
私だってね、恋とかしたいんだけど。
この1年間が多忙だったし、しかもこれから部活2つを掛け持ちでやるわけだから、もっとそんな余裕がなくなる。
だからしばらくは、お休み。恋はしない。
『私はバスケと水泳に恋してるから大丈夫』
「それ人間じゃないじゃん。競技だよ?」
『うん。しばらく恋はしないって決めてるから』
「…そうなんだ、」
ちょっぴり寂しそうにうつむく蓮。
でもすぐにまた笑顔になってこう言った。
「早くそのお休み終わらないかなーっ…」
そのときの私には理解できないほどの蓮の笑顔は、いつもとは違う何かを私に感じさせた。