恋愛注意報
『あのね、何でまた…』
「え、何で来ちゃいけないの?」
『勝手に入ってこられると、近所の人にいろいろ言われるの』
「いいじゃん。僕、裟癒の従弟だし」
いや、別にいいんだけど。それはいいんだけどね?
ご近所さんからすごい言われるんだよ。
従弟だからそれなりに顔立ち似てないしね、彼氏と勘違いされる方がいらっしゃるんですよ、蓮くん?
それが一番困るの。ってか、困るのは私なの。
『…はぁ』
「でも僕、誤解されてもいいよ。裟癒のこと好きだから」
『知ってる。前も聞いたし、私も蓮のこと好きだよ、うん』
半ば呆れ顔でそう答える私。
蓮は相当不満のようで、ジーッと私を見つめる。
『…蓮、いつ合鍵作ったの?』
「前に来たとき」
『何で?』
「裟癒にいつでも会いに来れるから」
『おじさんとおばさんは知ってるの?』
「うん、知らないよ」
……軽い犯罪を犯していると思うのは私だけなのかな。
こんな笑顔で、こんな怖いこと言われても困るんだけど…。