時空恋愛 陰陽師と新撰組
城の奥へ進むと

大きな扉、その前には蘇芳の狩衣
の男が立っていた

「すみません、閻羅王に取り次ぎ
をお願いします」

男は180近い身長の細身
顔は整いすぎだが、吊り目で神経
質な印象を与える男

「死者ならば、あちらだ」

印象通りの堅物だ

「まだ死んでませんよ

冥官 小野篁(オノノタカムラ)殿」

眉を潜める篁に

「安部清明です、未来の」

ニッコリ微笑むと

「女が…?」

固まっている

冥官になる以前は人間で帝に仕え
無実の罪で島流しにあった小野篁

小野妹子の末裔で学識、武術に、
誠実な人柄で皆に好かれた

真面目なせいで島流しにあった

そして強い見鬼の力を持ち
百鬼を従え、人間ながら冥官に…

とりあえず規格外な男と認識している
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