狼かける吸血鬼<短>
『まさかぶっ倒られるとは…』
「お前が馬鹿みたいに吸うからだろ!!」
現在、私の家。
何故そんな事になってしまったかと言うと、
―――――……
『もう一回…良い?』
「ちょっ!や…!…あっ」
「ん…はぁ、も…無理」
バタン!
―――――………
…というワケでして。
こいつが限度を知らないおかげて貧血おこして倒れてしまった、と。
『なぁ、匂いだけ嗅がせろよ』
ベッドに横になる私に、覆い被さる笹木遥。
「おい!ふざけんな…!」
『いいだろ。ま、どうせ今動けないだろうけど』
笹木遥の言った通り、体に力がはいらなくて、起き上がる事さえ叶わない。
「ひ卑怯だぞ…!」
『あんなに気持ちよさそうだったのに…。お前実はもう求めてんだろ?』
布団を剥いで、首筋にキスを落とされる。
「ん…」
『ほら、気持ち良かったんだろ?言わせてやろうか?あれ』
そのまま吸血する事はせず、首筋から顔を離す。
『言ったら気持ち良くしてやるよ』
むかつく。
おまけにこっちは貧血になったばかり。
なのに、体が、あの感覚を求めてる。
笹木遥を、求めてる。
『早くほら、言えよ』
「……私の血、全部あげます遥様」
『ははっ、上出来』