狼かける吸血鬼<短>
先生の言葉の後に心臓がキリキリするような間を置いて、一気に騒がしくなる教室。
私はと言うと、何がなんだか頭が追い付かない。
先ずは、何故バラしてしまっているのかという点、
もう一つは、絶滅なんちゃらって何?という疑問、
他にもいくらでもあるが、あからさまに動揺してはいけない、と自分を宥める。
そんな私は、騒ぎの理由は勿論、
『吸血鬼なんてものがハーフと言えど存在するのか』
という動揺故だと思っていたのに。
どうやら、可笑しい。
『S級だって〜すごーい!』
『S級って世界に3体って事だよな…!』
クラスの会話を聞いてみると、私が予想していた動揺の仕方じゃないことが分かる。
『俺C級しかみた事ねぇよ…』
しかし、1人の男子生徒が呟いたこの言葉に対して、又もや嫌な間を置いてから、クラス全員の視線が私の元に集まる。
な…何…?
一体何なんだ。
私の正体は皆知らない筈…!
『お前馬っ鹿だなぁ…』
誰かがそう言い、
『『『ここにA級いんじゃん』』』
クラス皆の口が綺麗に揃った。