狼かける吸血鬼<短>
は……?
いや、ちょっと待って。
訳が分からないんですが。
固まる私に、未だ視線はガンガンと注がれる。
『あ、そう言えばそっか』
『なんか馴染み過ぎて狼との半獣って感じしないもんねー』
「――…!何で知って……!!!」
私は混乱しながら、驚き過ぎて勢いよく立ち上がってしまう。
秘密の筈なのに。
皆が知ってる筈無いのに。
私が半獣だって。
『え?入学式で校長が言ってた』
「はぁ…!?」
…私確か入学式は、体調崩して出てない。
あんっの校長…!!
内緒って言っただろうが…!!
『しかもさ、その帽子で隠してるつもりかもしんないけどさ、羽瑠ちゃんそそっかしいから良くかぶり忘れてる時あるし、それに今まほら、立ち上がって時に脱げてるし……丸見えだよ?』
頭上を指差され…、
恐る恐る頭を触ってみると……
「はぎゃっ!!」
み、耳がでてる!帽子脱げてる!
私は両手で耳を押さえつける。
『だから、ばれてるってば』
『因みに尻尾も見えてるし』
……私の秘密は、
どうやら既に周知の事実だったそうです。