LOVE PARADE

「あ――……気持ちいい…。
藤本、ありがと。」

智宏くんの口角が少し上がって、笑ったことが分かった。

最近、よくこんな表情を見る。

「どういたしまして。
あたしたち、ゴールで待ってる。荷物持っていこうか?」

「ん。」

素っ気ないなぁ。

「健闘を祈ってるね。ファイトっ」

智宏くんは小さく手を振り返してくれた。
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