ボーダーライン~君との境界線~
第1章 -出逢い-
空港のロビーにゴロゴロと必要以上に大きな音を立てて、スーツケースを転がす。

東京よりも若干気温は高く感じるがLAも秋、
夕刻の気温は私の肌を冷やし、心細さが増した。


この街で3ヶ月間私は過ごす。

東京は大好き。

日常に不満があったワケではない。



少しだけ・・・
ほんの少しだけ・・・
違う自分を感じたかった。







「リオ!リオ!!!」


栗色の巻き毛の小太りの女性が、恥ずかしいくらいの大声で私を呼んだ。
彼女がどうやら私がこれからお世話になる家の家主。
私は目いっぱいの笑顔を作り、その女性の元に駆け寄った。

ふくよかな胸に抱きしめられ、何やら歓迎の言葉をこれまた恥ずかしいくらいのジェスチャーで話しているが、私には1/3もわからない。

わかるならばこんなところに今私はいない。


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