ボーダーライン~君との境界線~
「ごめんねー。私たちのマミーのローザ。娘さんがね、日本人と結婚して日本に住んでるの。」


そう紹介されてローザさんはいっそうふくよかな微笑みを投げかけた。


「ねぇねぇ、少しマミーから聞いてたんだけどさ、OLさんなんでしょ?なんでLAに留学に来たの?あっ、歳は何歳?彼はいるの?彼は反対しなかったの?」


有希はパサパサに長い睫毛に青いカラコンを入れた瞳を、子供のように輝かせながら、質問に答える間もなく質問を投げかける。


「お前うるさいって。」


レイが膝の上に置いたギターをつま弾きながら、興味なさそうに呟いた。


「だって知りたいじゃん。ねー。」


そう言うと有希は頬を膨らませて、ディックの肩にちょこんと頭を乗せた。
ディックはそんな有希の唇にチュっとキスをする。

どうやらこの2人は恋人らしい。


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