遥かなヒカリ
第1話 旅立ちとサヨナラ

境界(カギリ)

バーロットの月
ー北の最北端 ユリス村


夜の村に、灯がともる。未だに続く雪が降り積もる広場には、人々が集まり始めていた。


彼らは口々に何かを話し合っている。
「ルアルの奴、今日発(た)つってよ」

「あれ、本当だったのか?俺はてっきりディズの流した噂かと…」


男が言うと、どこかで小さく「誰が」、という呟きが聞こえた。


どっと笑いが起こる。男も苦笑したが、空を見上げて…ふと、目を細めた。




「…ルアル。…゛空゛、か…。大きくなったなぁ」


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