遥かなヒカリ

少年とひとりのアスハ




ここ…どこ…?


彼の思考を埋めたのは、そんな言葉だった。

仰向けになった姿勢に、星空が見える。

(………。)


確か。両親に連れられて、どこかの小さな村に来たことまでは覚えている。村に泊まったことも。




…ならここは?


ルアルは重たい頭を持ち上げ、半身を起こした。


途端、視界は仄暗い暗闇に包まれる。星の光がなければ、見えなくなっていたろう。




手をつくと、わずかに地面がやわらかい。まるでクッションの上にでもいるみたいだ、と彼は思った。




手探りで辺りを進むと、何かかたいものに触れた。金属のそれに似ている。


探ると、輪郭があった。指でなぞると出っ張りやへこみにぶつかり、叩くと金属ではない、かたくごつごつとした感触の、硝子のようなところもある。


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