1431㌔の純恋
恋人達の聖地
僕達はタクシーに乗り、
ホテルを出た。
もうすっかりタクシーの運転手さんとは仲良しだ。しかし運転手さんの方言はわからない。
君と運転手さんは
普通に会話してるけど、
僕にはさっぱりだ。
僕は郷に従う事にした。
君に少し方言を教わった。同じ日本でも全く違う言葉があるから面白い。
まるで異国交流みたいだ。そうこうしてる内にバス停に着いた。
これから無料バスに乗ってデパートに行く。
バス停は人でいっぱいだ。君が人混みの中は怖いのを
思いだした。
僕は手を握り「大丈夫だよ、僕がついてるから怖くないよ。大丈夫、大丈夫」
と励ました。
君の顔からまた笑顔が生まれた。
とても綺麗な笑顔だ。
君の笑顔を眺めていたら
バスが来た。
バスが着いた途端、
人が一斉にバスの中へ
走っていった。
さすが無料バス。
大人気だ。
僕達は慌てず中に入り、
なるべく人がいない席を選んだ。
君を窓際に座らせ、
僕は通路側へ座った。
窓際なら人の目とか
気にならないだろう、
と思ったからだ。
僕達は手を繋いだ。
もう手を繋ぐのには
慣れた。僕から手を握る事もできるようになった。
手を握りながら表を眺めていた。
緑がいっぱいあって
とても綺麗だ。
眺めてる内に
デパートに着いた。
さすが恋人達の聖地。
カップルが多い。
僕達はみんなに負けないくらいラブラブする事にした。
早速手を握り、デパートに入っていった。
中に入ると目がキラキラする程に店内は
輝いていた。
僕の目もすごく輝いている。
自然と顔がにこやかになる。
僕達は君の行きつけの
雑貨屋さんに向かった。
さすが君が選んだ店。
僕の好きなものばかりだ。子供みたいに
はしゃいでしまった。
そしてはしゃいだうえに
買い過ぎてしまった。
そして君に内緒でプレゼントも買った。
君に内緒で渡そうと
したけど我慢できなくなり、僕はすぐ渡してしまった。君の笑顔が眩しかった。僕達は手を繋ぎ二つ目の雑貨屋さんに向かった。

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