キミとの出会い


テレビをつけると、津波についてやっていた。

「俺の彼女、海の方に住んでるんだ。こんなにならないでほしい…」
「こ、ここ関東だよ!…あんなに大きいのは来ないと思うけど…」

兄貴の顔は、真剣だった。
そんな兄貴の顔を見るのが、精一杯だった。


テレビに目を移した時だった。

『今!津波が宮城県…』


波は…波は、
一瞬で町を飲み込んでいた。

「彼女のとこも、あんなになってないといいな…」
「連絡とれないの!?」
「電話つながんねぇ!」
「ウチもつながらない…」


『天大丈夫!?
 お母さんちょっと今日は
 帰れない。
 お父さんと合流したから。』

「兄貴、今日どっちも帰ってこれないって。」
「わかった。」




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