世界が終わる前に
でもそれ以上に、私もそんなちっぽけな事で寂しいなんて言えるほど子供じゃなかったし、それを何とかして解決しようなんて考えられるほどの“いい妹”でもなかった――。
でもきっとその頃の私も兄もただ単に、年頃ってやつだったんだろう。
いわば誰もが経験する思春期みたいな。
だって、別に兄とは特別に仲が悪いという訳でもなかったし、かといって仲良し兄妹という訳でもなかったけれど、いがみ合ってた訳でもない……。
ましてや激しい喧嘩をした覚えだって、全くなかったのだから。
そんな兄とは反対に天真爛漫な性格の姉とは、とりあえず仲は良かった。(仲は良くてもボスからは守ってくれないけれど。まあ、八方美人だから仕方ないが……。)
それでも兄は、やっぱり姉とも口を聞いていなかったみたいだった。
何処か姉、いや姉だけでなく私たちと距離を置いてるような…――そんな感じだった。
けれど、そんな兄は三人の中でも突出して賢い優等生だった。