世界が終わる前に
止められない気持ち
珍しく寝起きの悪い私がすっきり目を覚ましたのは、その一日後の水曜日の事だった。
いつになく爽快な淀みのない朝を迎え、窓を覆っていた分厚い遮光カーテンを開けて、新鮮な朝日を部屋に取り込んだ。
少し建て付けの悪い窓を空ければそこには、雲一つない真っ青に澄み切った空。
眩しいくらいに照り付ける太陽の光に、思わず目を細めた。
秋が深まり、遠く見える灰色の街も何処か少し早い冬の気配が訪れ始めている。
――時刻は、午前八時。
深く息を吸い込み、私は一度大きく深呼吸をして開け放していた窓を閉めて、遮光カーテンを引いて部屋を出た。
昨日の朝と今日の朝。
たった一日しか経っていないというのにも関わらず、多大な変化を遂げた……ように思えるのは、ただ単純に私自身の気持ちが変化したからなんだろうか。
世界というものは、たった気持ち一つでこんなにも鮮やかに色めきを放ち、変化を齎(もたら)すのだと身をもって実感した。