世界が終わる前に


「えっ?……わ、私っ?」


『……ああ』


「あ、えっと……今日は開校記念日だったんだけど、」


『は?開校記念日?』


「うん、だから学校お休みで、出かけてたんだけど、たった今ちょうど家に帰ってきて……」



ちょっと遠回しだけど“暇してますアピール”出来ただろうか。

まあ……いや、そんなアピールしても絶対に意味がないっていう事は、わかっているんだけれど。



『……へえ』



案の定そんな興味なさそうな短い返事をした黒斗くんに、焦って話題を変えようと、思考の衰えた頭で必死に考え始めた。


だって、せっかく黒斗くんから電話してくれたのに、無駄になんかしたくない。


……ていうか、なんか私一人だけが空回りしてるみたいで、恥ずかしい。

そんな情けない自分にとことん嫌気がさした。


< 169 / 202 >

この作品をシェア

pagetop