世界が終わる前に
「えっ?……わ、私っ?」
『……ああ』
「あ、えっと……今日は開校記念日だったんだけど、」
『は?開校記念日?』
「うん、だから学校お休みで、出かけてたんだけど、たった今ちょうど家に帰ってきて……」
ちょっと遠回しだけど“暇してますアピール”出来ただろうか。
まあ……いや、そんなアピールしても絶対に意味がないっていう事は、わかっているんだけれど。
『……へえ』
案の定そんな興味なさそうな短い返事をした黒斗くんに、焦って話題を変えようと、思考の衰えた頭で必死に考え始めた。
だって、せっかく黒斗くんから電話してくれたのに、無駄になんかしたくない。
……ていうか、なんか私一人だけが空回りしてるみたいで、恥ずかしい。
そんな情けない自分にとことん嫌気がさした。