世界が終わる前に


もしかしたら、なんてくだらない期待に胸がドクンと脈打ち、体温が急上昇する。


ねえ、黒斗くん……。

私、期待しちゃってもいいの?






「……あ、ありがとうっ」


「は?」


「わざわざ抜けてきてくれたんでしょう?嬉しい……ありがとう」


「……」


「あ、でも、次からサボりは禁止だから!……ね?」


「……ああ」



わかった……、と少し照れ臭そうにフイッと顔を背けた黒斗くんの横顔が、すごく可愛かった。


どうしよう……私、今すごく期待しちゃってる。

黒斗くんの照れる意味を都合よく解釈しちゃったりしてる。


……本当に黒斗くんは、狡い。


< 176 / 202 >

この作品をシェア

pagetop