世界が終わる前に
もしかしたら、なんてくだらない期待に胸がドクンと脈打ち、体温が急上昇する。
ねえ、黒斗くん……。
私、期待しちゃってもいいの?
「……あ、ありがとうっ」
「は?」
「わざわざ抜けてきてくれたんでしょう?嬉しい……ありがとう」
「……」
「あ、でも、次からサボりは禁止だから!……ね?」
「……ああ」
わかった……、と少し照れ臭そうにフイッと顔を背けた黒斗くんの横顔が、すごく可愛かった。
どうしよう……私、今すごく期待しちゃってる。
黒斗くんの照れる意味を都合よく解釈しちゃったりしてる。
……本当に黒斗くんは、狡い。