世界が終わる前に
不思議に思いながらも、颯爽と歩き出した黒斗くんと肩を並べてそこに近づくと、そこは最近出来たばかりで日本一大きい事で話題になっていたプラネタリウムだった。
「……プラネタリウム?」
そんな私の独り言に「ああ、」と返事を返す黒斗くんに意外性を感じずにはいられなかった。
「あんた、好きそうだから」
「……え?」
少しぶっきらぼうに「こういうの好きそうだと思ったから」と呟く黒斗くんを、最高にかっこいいと思った。
だから「うん、好き」と嬉しさを噛み締めるように言った。
けれど、意味は違えど黒斗くんに「好き」と言った恥ずかしさに酷く顔が熱くなった。