世界が終わる前に
「……わ、私は……醜い女なの、」
「え?」
「黒斗くんが……他の女の子の名前を呼ぶのが嫌で、」
「……は?」
「他の女の子に触るのも嫌で、」
「おい?」
「香りにまで嫉妬しちゃうの、」
「……」
「本当に醜いの。……だからこんな私を見ないで欲しい」
吐き出す言葉は、意に反して酷く震えてしまっていた。
だけど、何を言っちゃったんだろうってすぐに後悔した。
だって、こんなの告白したも同然じゃないんだろうか。
現に黒斗くんは、無表情のまま固まってしまっている。
それが、驚きによるものなのか、よくわからないけど、どちらにせよ一度発してしまった言葉を取り戻す事は出来ない。