世界が終わる前に
そして――…
「俺があんたと会ったのは、あの日が初めてじゃねェ」
…――突然の予想を超える黒斗くんの言葉に、私は衝撃のあまり瞳を数回しぱしぱと瞬いた。
「……ど、どういう、こと?」
無意識に絞り出した声が震えたのは、黒斗くんの言葉に動揺した所為だろう。
でも、なんでか、ざわざわと胸騒ぎがして仕方なかったんだ。
「あんたの事は、前から知ってた」
「……前、から?」
「ああ」
「……ま、前からって、いつから?」
「二年前だ」
その黒斗くんの言葉に、いよいよ思考が遮断され口が閉じてしまった。