世界が終わる前に
今まで、嫌と言う程に感じていた鬱陶しいくらいの熱さが、今は嘘のように冷たく感じる程に、全身が凍りつくような感覚が背筋を突き抜けて、ぶるりと身震いをした。
最早「あれ、今日は財布にいくら入ってたっけ?」なんて、呑気な事を考えてる場合じゃない。
やばくない!?
本気でやばくない!?
リンチ!?
恐喝!?
脅し!?
一体どれよ!?
脳内パニックを起こした私は、完全に正気を失った。
パニクり過ぎて思わず叫びそうになるのを、ぎりぎりのところで堪えながら何とかふらつく体を支えるように、両足を踏ん張った。
教頭の退屈な話の方が何百……いや何千倍もマシに思えたのは、今日を限りだろう。
始業式後……不安のあまり私がトイレに駆け込んだのは、言うまでもない。