世界が終わる前に
室内に篭る熱気の熱さだけの所為じゃない、大量の冷や汗が全身から噴き出してくるのは、恐らく気の所為なんかじゃない。
それがたらり、と蟀谷を伝ったのを拭う事もせずに、私は目を見張ったままその場に呆然と立ち尽くした。
室内には相田さんと“同じような”……派手であろう人種の女子が四人もいた。
しかし…――彼女らは、相田さんの言葉を特に気にかける様子もそれに対する反応もなくて、相田さんのそれは独り言のように寂しさを帯びた。
え、シカト……なの?
……こういう人種の子たちって本当によくわからないなあ……。
更に彼女らは、相田さんに無理矢理連れて来られた憐れな私を冷めたような、酷く不服そうな瞳で一瞥(いちべつ)しただけで。
最早“私なんか”に端から興味などない、といった感じで。
それぞれに地べたに座りながら分厚い化粧をしていたり、髪をくるんくるんに巻いたりと何やら忙しそうだった。