世界が終わる前に


「ねぇ、ホントに時間ないんだよね。とりあえず行きながら詳しく説明するから、早く行くよ」



そう言って不機嫌そうに眉を潜めた相田さんは、ひらり、と短いスカートを翻した。


……ちなみにとても中学生らしからぬ――到底同い年とは思えない、エッチな下着がちらりとお目見えしてしまった。


これが噂の“チラリズム”……っじゃなくって!



ワンテンポ遅れて「ま、待って……!」と叫んだ私の情けないか細い声が、誰もいない教室に虚しく響いて消えた。



どうして私なの?


そう続けようとした言葉は最後まで言えずに、喉の奥へと飲み込むしかなかった。



どうやら皮肉にも造物主である“神”とやらは、どう足掻いても私の味方などにはなってくれないらしい。


< 37 / 202 >

この作品をシェア

pagetop