世界が終わる前に
ありえない……と、言うよりも意味がわからなかった。
相田さんのハスキーな声がすらすらと紡ぐ台詞は、あまりにも私には理解不能すぎて……全く現実味というものを感じない。
……これは本当に現実?
思わずそんな事まで考えてしまうくらい呆気に取られた私は、情けなくも口をぽっかりと開けたまま相田さんの後ろでフリーズしていた。
「てか……あんたを今回の合コンにって条件、出したの“あの”漆原黒斗なんだよ?」
「は……?」
……ウルシバラクロト?
誰……なんだろう……?
しかも……“あの”ってなんか意味深じゃない?
とってもただ者じゃない感じがするんですけども!
やっぱり相田さんの台詞は理解出来ない。
相田さんが一生懸命に説明してくれてるってわかるけど、私には理解出来ない。
私みたいな一般人には、相田さんみたいな人種の思考すら理解する事が出来ない。