世界が終わる前に
私の人生において、初めてで恐らくは最後の合コン。
もしかしたらもう二度と、ないかもしれないっぽい合コン。
…――待ち合わせ場所は、地元からも比較的近い繁華街にあるファミレスだった。(そこだけは唯一、中学生らしいと思えた。)
緑色の見慣れた電飾看板が見えてくると、不意にペダルを漕いでいた相田さんが「着いたよ」と動きを止めて一瞬、振り向いたのでドキッと心臓が跳ねた。
これから始まるらしい初めての合コンに、徐々に高まる緊張感と戸惑いが一気に溢れ出してきて隠しきれなかった。
そんな私を尻目に、相田さんは歩道脇に停めた自転車から降りたので、続いて後ろに乗っていた私も流れるように降りた。
すると、荷台に見事食い込んでいたお尻がべりっと剥がれるかのような感覚がして、その衝撃にグッと眉間に皺を寄せると、ヒリヒリするお尻を優しく摩った。
でもそんな感覚も、相田さんの“お仲間さん”の一人が口にした「もう向こうみんな集まってるっぽいよ」の台詞で、完全に無になってしまった。