世界が終わる前に
最早、緊張しすぎて……暴れ出した心臓がドキドキ高鳴る音が五月蝿すぎて、心不全を起こしてしまいそうだった。
でも、やっぱりそんな事を思ってるのは私だけだったらしい。
相田さんも他の子も緊張感なんてものはおくびにも出さず、金髪の一番派手なリーダーっぽい子を先頭に悠然と歩き出したので、私は一番後ろを歩く相田さんの後ろにピッタリと虫みたいにくっついて歩いた。
軽快な音と共に開けられたガラスの扉を、みんな素知らぬ素振りでするすると潜り抜けていく中、ちょうど相田さんが入ったところで閉まってしまったそれに、鈍臭い私は見事に鼻の先を思いっきりぶつけた。
じんと痛む鼻を摩りながら、ガラス扉を睨むように見つめた。
そして、ワンテンポ遅れてファミレスに足を踏み入れると、広いフロア内の奥にいる……あきらかにこの場には“異質でそぐわない不良ちっくな集団”を見つけた瞬間、いつもは全く働かない勘が働いた。