世界が終わる前に
え……もしかして嘘だったとか?
無理矢理の単なる人数集めに使った常套句だったとか!?
だとしたら私ってば本当に可哀相な女だよ!
やっぱり来なきゃよかった!
そう思ってやっぱり途中で抜けだそうかと考えた時、
「……なあ、」
「ひゃっ!」
いつの間にか目の前にいた彼が私をジッと見つめていて、すごく驚いた。
「な、何……ですか?」
真っ直ぐ突き刺さった視線に、思わず私から目を逸らしてしまった。
普段、見つめられる事に慣れてない所為もあるけれど、
彼の澄んだ瞳は、本当に吸い込まれそうなくらい綺麗でカッコよくて……胸がキュンと高鳴ってしまうのを抑えられない。
「……あんた慣れてないだろ、こういうの」
ぶっきらぼうな低い声につい視線を戻すと、彼はまだこちらを真っ直ぐ見つめていた。
更に心臓を揺さ振られつつ、突然によくわからないけど的を射たような台詞を吐いた彼に、私は思わず怪訝を孕んだ視線を向けてしまった。