世界が終わる前に
爽やかな制服とは酷く不釣り合いな色気のある首筋と、男らしい筋肉質な腕と白いワイシャツから覗く鎖骨。
首元と耳朶のシルバーアクセが同年代では何だかオシャレに見えて、つくづく私とこの人とは住んでる世界が違うんだな、と感じる。
尚も視線を逸らす事なく真っ直ぐ見つめてくる彼は、こんな私の胸の高鳴りをきっと知らないのだろう。
これだと、きっと十人中九人の女子は確実に惚れちゃいそうだ。
いとも簡単に女子を手玉に取っていそうな感じ。
天然の魔性みたいな。
とっても悪質じゃないか。
本当に勘弁して欲しい。
そんな何だかちょっと女慣れしていそうな彼に、何故かまた胸がチクンと痛んだ。