世界が終わる前に
加えて兄姉の二人は要領もいいときたら、出来損ないの私に最早打つ手などない。
さながらまさに、童話に出てくる“みにくいアヒルの子”のようだなと、我ながら情けなくなる話だ。
もちろん、最初は遺伝子に何か問題があるんじゃないかとか、実は私だけ血の繋がりがなかったりして……なんて真剣に考え悩んだ事もあるくらい、私と兄姉には埋めたくても埋めようのない雲泥(うんでい)の差があった。
しかし。
ある日、私はその“理由”に気がついた。
個人個人の“人間”に与えられた人生というのは……
たとえ、同じ血が体に流れていようと、同じ遺伝子を持っていようと、こんなにも不平等で不公平なのだという事を――。
……私はまた“諦め”た。