世界が終わる前に
『てか……あんたを今回の合コンにって条件、出したの“あの”漆原黒斗なんだよ?』
ふと合コン前に言われた相田さんのそんな言葉が、鮮明に蘇ってきた。
途端に心臓がバクバクと音を立てて早鐘を打ちはじめる。
まさか……まさかこの彼が、私を合コンに参加させた張本人だったなんて。
私を呼びつけるなんて世にも物好きな珍しい男の子が、彼だったなんて。
そう思ったら、くらり、と酷い目眩を起こしそうになって、急に目の前が真っ白になり思考力が恐ろしく衰えた。
「どうした?」
酷く動揺する私を、彼が怪訝そうな瞳で真っ直ぐにジッと見つめてくるから、私は衰えてしまった思考を必死にフル回転させた。
それにしても……こんな事ってあるんだろうか!
正直、目の前の彼が漆原黒斗である事は、私にとってすごく嬉しい事実なのは確かだ。
でも――…
「……ご、ごめんなさい」
「あ?」